2016年7月4日blog | 山間に建つ築100年の平屋リノベーション始動します。

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清水のリノベーションに続き、木造戸建てのリノベーション(改修工事)のご依頼を頂きました。
今回は山間部に建つ築100年の木造平屋建て住宅です。

先代の建てた建物を生かし、
若いご家族が住まわれます。
それぞれの気配を感じながらもそれぞれの居所をつくれる様な住まいをご要望です。

リノベーションと言う言葉が普及し始めて約20年位?でしょうか。
新築よりもこう言った物件に魅力を見出す若年世帯が増えてきている様に感じます。
日本でも「古い住宅=価値ある住宅」と言う価値観が根付き始めている。
新築を設計する事も勿論好きですが、こう言った案件に携われる事も
とても嬉しく思います。

先週、現地調査を行いました。

先ず外観を見て興奮。
背面に山を背負っている事で緑に包まれている様な佇まいをしています。(写真1枚目)
背面を見ると苔むした岩肌が見えます。
崖を削って建てられた住宅の様です。(写真2枚目)
築100年にもなる木造の為、構造は嵌合(クギなどの金物を使わない接合)の木組み。
玄関上部には柱と貫を固定する木製の楔(クサビ)が飛び出ています。(写真3枚目)

建物を拝見し、全体の佇まいからクサビ等の細部に至るまでとても魅力的に感じました。
(同じ様に感じる建築家も多いはず。)

崖のそばに建つ事について、
現在では、土砂の問題・法律・条令等からこの様な佇まいは難しい様に思います。
建て主様も重々承知しておりましたが、
「この岩肌が見える様に窓をつくったら恰好いいと思うんです」
とのご意見。
私も一見した時、これに魅力を感じていた為、同意し話が盛り上がりました。

この様な心に安らぎを与えるデザインを随所に取り入れていきたいと思います。
しかし、同時に建物をより長持ちさせる為の対策や、現在の法律とどう向き合い対応していくか等
考える事は山ほどあります。
勿論、ご予算も無視出来ません。
様々な事を総合的に考え、これから1ヵ月のお時間を頂き提案を練っていきます。


現在の建築基準を満たしていない建築。
しかし、ここに100年建ち続けたと言う実績をもつ建築。

この土地に100年建ち続けたと言う事に敬意を払いながら、
更にその先へと言う気持ちで提案を考えて行きたいと思います。




一級建築士事務所SAKAKI Atelier(サカキアトリエ)
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