2020年1月19日blog | 新規ご提案。既成の寸法を変える事で個性的な外観をつくる

haikeifacadefacade

一昨日、現在打ち合わせ中のお客様に新たなご提案を行いました。

今回はこの新規ご提案を通じて、個性的な外観づくりのヒントとなる考え方を
書きたいと思います。

当事務所にご相談頂くお客様は
個性的な住まいをご要望の方が比較的多い様に感じています。
もしかしたら、
ハウスメーカー→一般的な家
建築家→個性的な家
と言う印象を持っている方も多いのではないでしょうか。

私の経験上で言えば、
個性的なハウスメーカーの家もありますし、
建売住宅の様な設計をする建築家もいます。

しかしながら、メディア等で紹介される印象の方向性としては、
上記の様な印象が与えられているのは間違いない事だと思います。

設計事務所として、建築家として、個性的なデザインをする。

これ意外にとても難しいのです。

個性的なデザインと言っても住まい手の方が率直に
「カッコいい」
と思えなくては、どんなに個性的でも価値があるとは思えません。
まずは、住まい手さんの印象。
その次に住まい手さんの周りの方々の印象。
更には、そのデザインにどんな用途的な意図があるのか。
空間的にどんな問題解決を行っているのか。
外観がインテリアにも反映されているか。
等々、総合的に加味した上で、
「個性的」を取り入れる必要があります。

住まい手さん、またその近い周囲の人が率直に「素敵・カッコいい」と誰も
思ってもいない個性的なデザインは設計士の押し売りであったり、
独りよがりでしかありません。
デザインに用途が無ければ恐らく使い勝手が悪くなります。
空間的問題解決の無いデザインは最早デザインと呼べないかもしれません。
(これはアートに近いかもしれません。アートを求めるなら有だと思います)
外観がインテリアに反映されていないデザインは、
店舗看板等の張りぼてと変わりません。
(店舗看板を否定している訳ではありません。店舗看板は集客と言う役目を果たしています。
これはあくまで、住まいのデザインの話として読んで頂ければ有り難く思います)

色んな意図を持った上で、
「おっ、あの建物カッコいい!」
と言われるデザインが良いデザインなのではないかなと考えています。

今回のご提案についてですが、
まず、ご要望として、
・窓が無いようなシンプルな外観
 (ここには防犯対策の意味も込められています)
・屋根と壁が一体になっている様な建物の造形
 (軒が深いと言うよりは積み木の様な外観と言った方が分かり易いでしょうか)
・無機質なイメージ
と言ったものがありました。

私の出したご提案が左のCGです。
道路側に見える1階の窓は格子で存在を分かりづらくしています。
2階には窓を付けていません。
2階の壁をほんの少し斜めにして1階の庇の役割を持たせています。
この庇の役割が1階の木の格子を長持ちさせる事にも繋がります。

そして、1階の格子部分に比べ、2階の斜め壁が極端に背が高い比率となっています。
ここにこのお宅の個性があります。
そして、前置きが長くなりましたが、このデザインがブログタイトルにある
既成の寸法を変えたデザインなのです。

ほとんどの方は、建物の外観を見ると、2階建てか3階建ての区別はつくかと思います。
それは日本の昔からの慣習や材料の物流の関係、法律的な縛りから、
建物の高さが決められているからなのです。
そしてそれが街並みを形成している為、大抵の方は
ぱっと見で建物の階数が分かるのです。
しかし、ぱっと見てわかると言う事は、既成的であるとも言え、
個性的とは相反するデザインとも言えます。
個性的なデザインとする手法として、このぱっと見の感覚を
意図的に変える方法があります。
要するにぱっと見て分かる、1階部分と2階部分の比率を大きく変えるのです。
今回は、2階を少し張り出す事により変えた比率を強調しましたが、
その他に、
・窓の位置を既成とは異なる位置に付ける
・1階もしくは2階の天井の高さを変える
・外壁の仕上げ材料を1階と2階で別素材とし、比率を変えて取り付ける
・1階を半地下にする
・軒の高さを変える
等の手法が考えられます。
(個性的と言う視点のみでこの手法を採用すると日常生活としての
使い勝手を悪くする可能性も出てきます。インテリア・間取り・空間構成等
様々な要素を加味した上での採用が求められます)


但しこれらを行う事で個性的になる可能性は高まりますが、
直感的に「かっこいい」ものになるかは別問題です。
これには個人の感性や建て主様と設計士の感覚の共有が
必要となります。

何はともあれ今回のご提案に、
満足の評価を頂く事が出来、
ホッとするのと同時に共有出来た喜びを感じるところでありました。



この記事が皆様の住まいづくりの参考となれば幸いです。





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