2019年10月12日blog | 空の広さが驚くほど変わる。無電柱化の効果

haikeikitakaidomudennsenndentyu

私の住む近所の主要県道(北街道と呼ばれています)のある区画。
何か最近空が広く感じるなと思ったら、
一定の区画のみ無電柱化し、電線を地中埋設していました。

一時期、都知事が公約に掲げ話題になりましたが、
最近は台風の影響等、防災面で推進の声が上がっている様です。

台風の影響で電柱が倒れたり、風で断線したり、地中にすれば被害は
かなり減るのではないかと。
しかし一方で、地震等で地中で断線した場合は復旧に電柱以上の時間が
掛かってしまうのでは?と言った声も上がっているようですね。

私は建築の意匠デザインを主とする仕事をしているので、
こちらの見方から話をすると、
断然地中埋設にして欲しいです。

北街道の写真を見て頂くと一目瞭然で、
空がもの凄く広がった感じがします。

これは人の目のピントを合わせる機能が関係していると思われます。
人は奥に広がる景色がある状態の中で、その手前に何かもの(ここでは電線)があると
知らず知らずのうちにそのものにピントを合わせてしまいます。

住宅等の建築設計を行う際、この性質を利用する事もあります。
例えば、視界の奥にリビングあり、見ようと思えば見えるけど
手前に格子等の造作デザインを入れる事で奥のリビングに意識が
行き辛くするといった手法等がこれに当たります。

人の目のある種の錯覚を利用した手法ですが、
無電柱化、電線が無くなるとこんなにも空の広さが違って見えるのかと
驚きです。

この近所の無電柱化はある区画のみで、
その端部では電線が電柱から地中に流れて行っているのがわかります。
(写真3枚目)
地中埋設された区画の建物は以前の名残から
電線の受けが取り付けられたままになっています。
(写真2枚目)
以前は上空の電線から引き込んでいたお宅は、地中から一旦以前の
2階まで線を引き上げて、再度下に落とすというやり方をしている
お宅もある様です。


防災云々の話は色々な考えがあると思いますが、
シンプルに考えて
自分の住む街は少しでも綺麗に見えた方が心地よいですよね?

今回発見したこの区画は数百mから1km程度の短い区間でしたが、
この様な取り組みを少しずつでも進めて頂いていることを嬉しく思います。

よくTV番組で
「東京タワーが見える物件」
「海が一望出来るテラス」
等を謳い文句に物件が紹介される事がありますが、
たまにその手前に大きな電柱や電線が丸見えで通っている事があります。
それを見る度、少し残念な気持ちになりながら拝見していた自分がいました。
折角なら見たい景色がダイレクトに飛び込んでくるような
景色であって欲しい。

まだまだ先は長いと思いますが、少しずつでも
無電柱化を進めて頂き、電柱の代わりに樹木が植わってくれる様な
取り組みが進んでくれたなら、きっともっと住みやすい街になっていくのでは
ないかと思います。

これから物件を探す方は、こう言ったポイントもチェックに入れながら
物件探しをすると、生活する時に少し気分が良くなる住まいに
出会えるかもしれません。

土地や物件をお探しの方の探すポイントの一助になれば幸いです。




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