家族と居所
主要用途:シェアハウス 敷地面積152.02㎡ 1階床面積:68.00㎡ 2階床面積:70.00㎡
3階床面積:56.00㎡ 階数:3階 構造:鉄骨造+一部RC造 世帯:6人によるシェア
多様な居所を用意したシェアハウス
個々人の居室以外の居所をたくさん用意する事で、お互いが距離を取りながらも接点を持つ事出来る様配慮したシェアハウスである。
共有部分に多様な居所をつくり、それらを壁で間仕切るのでは無く、それぞれの居所を雁行させたり、家具を置いたり、吹き抜けを設けたりして空間分けを行っている。一続きの空間だが視線は少しずつずれる。
同居の人間に気を配る事、また極まりの悪さを感じる事、こんな事を感じながら少しずつ価値観や距離が近づいていき家族が出来上がっていく。婚姻・血縁はないが、家族としての営みを体感出来る家。空間によって距離感を調整する事で、その体感はストレスを軽減し、より魅力的なものとなるだろう。
注:動画には音声が含まれております。御閲覧の際はご注意下さい。
戦後、核家族化が進み、晩婚化が進み、少子化が進み。。。
親族5人6人で暮らしていた昔はごくありふれた家族の住まい方が減り、一世帯での居住者は1人か2人が当たり前の時代になりました。
ここ最近、こう言った世相を反映した漫画の例え話を耳にします。漫画ドラゴンボールでは孫悟空には妻がいて、息子がいて、孫が出来て、と家族の物語が描かれています。勿論、仲間もたくさんいますが仲間は仲間です。
現在進行中の人気漫画ワンピースではどうでしょう。モンキー・D・ルフィにも家族はいます。しかし、家族の物語は殆ど無く、むしろ盃を交わした血縁関係のないエースやサボを兄弟と呼んで物語の中では家族像的に描かれています。
単身居住者が増えた現代、それでも人は心の拠り所になる誰かと接したいと願っているのではないのでしょうか。シェアハウスは単身居住者に人との接点を与える新たな住まいの形と言えます。