住まいづくり大切にしたい11の事

あなたが新しい住まいを希望されるのはどの様な想いからですか?

・子供が生まれて家族が増えた、
・親が定年を迎え今後が心配、
・65歳までにローンを払い終えるには、
・おしゃれな住まいにずっと憧れていた
・・・

では、それらの想いを実現する為に、どの様なポイントで依頼先を決定していくでしょうか?

・会社としての安定性
・仕事に対する誠実性
・革新的なデザインをする事に対する期待
・・・

これから大切にしていく住まいです。
様々な決定要因が考えられますが、最終的には
「ここなら自分の夢・希望を実現してくれる」
と言ったフィーリングと言うか直感的なものが大きいのではないでしょうか。

ここからはサカキアトリエの住まいづくりについて、「大切にしたい11の事」をご紹介したいと思います。
これらポイントは、設計者と施主の両方を経験した私自身の想いによってまとめたものです。要所に当自宅兼用事務所を例に上げております。
これらポイントは新築に限った事では無く、リノベーションを含む住まいの生活そのものに対する考え方になります。
これらポイントはコンセプトである「永く愛され続ける建築」を実践する事に他なりません。

1最低限の住宅性能として守るべきもの

雨風を凌ぐと言った当たり前に必要とされる住まいの性能。
地震国日本における命を守る構造性能。
まずは本当に当たり前の事。瑕疵や手抜きと言った事に細心の注意を払います。
ハウスメーカー出身であり静岡に暮らす私だからこそ特に構造性能は大切にする。
全棟構造計算事務所による構造計算を行い、建築基準法以上の性能を確保します。

直感的な心地良さ・美しさ

2直感的な心地良さ・美しさ

肌に感じる風・光、見渡した時の空間の広がり、視線の先にある景色、目を閉じた時に聞こえる自然の声、手・足に触る木の感触。。。
ある場所に腰を掛け、ふと五感に感じるこれらの出来事がとても心地良い。そして美しい。この直感的な感覚を大切にしたい。
これらを生み出す建築要素は、吹抜、縁側、窓開口、、、いろいろあるけれど、この感覚は人それぞれ。だからこそコミュニケーションを大切に、想いを共有したいのです。

3住まいの個性

大きな開口部を設けて屋外と繋げる、壁一面に印象的なアクセントを貼る、玄関とLDKの間仕切りを無くし階段で仕切る、あえて無駄と思える空間をつくる。
時にはダイナミックな手法を用いてたった一つの住まいを演出します。

住まいの個性

4見えること・隠すこと

家は散らかるものです。つくり込み過ぎず、空間に見合った適正な収納を確保する。程よいバランスで空間をつくる事が住む人の荷物を程良く調整し、きれいに住まう事を促します。空間はシンプルがいい。
多少散らかってもなんだかカッコいい。そんな住まいを考えます。

見えること・隠すこと

直感的な心地良さ・美しさ

5居どころづくり

外で働くみなさんは家に帰ってまず何をしたいですか?私はサラリーマン時代、家に帰ったらまずダラダラしていました。食事やお風呂や掃除ややる事あってもまずはソファでダラダラ・・・。そんな方、多いのではないでしょうか。外でいっぱい頭と体を使ったあなたは家では体を休めほっこりしたいのです。

そんな時、居座るところはダイニングチェアとソファだけ?階段に座ってもいいじゃないか。バルコニーにベンチがあれば、外に出て気持ち良い風に当たりたくなるかもしれない。そんなゆったりとした時間を過ごす為の居どころをつくって住まい全体を楽しんで欲しい。

偶然性を活かす

6偶然性を活かす

予期せず生まれたスペースやどの様に仕上がるか最後まで分からない木目模様。
これらは無駄や失敗ではありません。時にはこうした偶然的に生まれた個性を活かし住まいの価値を高めます。
(左写真は階段下の空間に材木屋さんから安く譲って頂いた板をカウンターに使用した本棚)

7メンテナンスを楽しむ

多少キズがあっても本物の無垢材を使えば味わい深く、愛着が出てきます。そんな愛情を注いで欲しい。
たまに雑巾で拭きたくなる様な。素手で触りたくなる様な。
愛情を注いだ分だけもっともっと大切にそこに住み続けたいと思う様になるものです。

8不便さを楽しむ

住まいにある記憶。それらの多くは不便さから来るものではなかったでしょうか。
ケンカの声が聞こえる中での勉強。
本当はごろっとしたいのに譲るソファ。
テレビ番組の取り合い。。。
それは人と人とをつなぐもの。
不便さは摩擦を生む事もありますが、コミュニケーションを生む装置でもあります。
それが住まいの、人の、記憶をつくるのです。私の事務所は、2F事務所と3Fリビングが空間的につながっている。
そんなつながりを感じながらコミュニケーションも日々楽しんでいます。
それはひとつ屋根の下であると言う事を示しているのです。

住む人は成長し、変わっていく

9住む人は成長し、変わっていく

住む人の分だけ間仕切る事。ある程度のプライベートを保つ為には必要かもしれない。
でも、新たに子供が出来たら?子供が就職で家を出たら?親と一緒に住む事になったら?
建てた時の人数で、年齢で、住み続ける訳ではない。だから、家具で間仕切ったり、高さを変えて視線を逸らしたり、いろんな方法でいろんな住み方を考える事が大切。
私は独身時代に家を建てました。(右写真は独身時代のLDK)
そして今は夫婦二人+仕事場、いろんな姿を見せる住まいも楽しいものです。

偶然性を活かす

10自然と共に

四季を感じるとはどういう事か?
春の息吹を感じる?秋の移ろいを感じる?
でも、暑いの嫌だから、寒いの嫌だから、断熱性はしっかりと、いつも窓はきっちり閉めて。。。

窓を思いっきり開けてみて下さい。サラリーマンだった私は先ほど書いた様な窓を殆ど開けない生活を送っていました。
そして、、、独立して家が生活の主体の場になって、毎日窓を開ける様になりました。

植物は正直です。窓を頻繁に開ける様になり3ヶ月、今までの10倍枝を伸ばしています。
健康な住宅は、自然と同じ空気を流し、自然と同じ光を入れる事が大切なのです。
人も自然を享受する動物なのだから。

時の流れを感じる

11時の流れを感じる

以前暮らしていた住まいの何かを持ち込んでみてはどうでしょう。私は前の家から扉を1枚と押入れに眠っていた茶箱を玄関先に持って来ました。
建物本体を生かすリノベーションであればもっといろんな以前の形を残す事が出来ます。古いもの、新しいものと区別するけれど、本当は同じ時間の中にあるもの。古いから今の住まいに合わないのではなく、古いものを新しいものに溶け込ませる、古いものに新しい形を組み込む、そうやってなんとなく時間が続いている事を感じさせる空間にしたい。50年後、100年後、今の形を大切に、活かしてもらえる時代が来る様に。

「永く愛され続ける建築」と社会的使命感の様なコンセプトを上げて活動しておりますが、詰まる所
サカキアトリエと一緒につくった住まいを大好きになって楽しんで生活を送って欲しいと言う事なのです。
その為の仕掛けをうまくデザインし丁寧に設計された住まいは、おのずと永く愛され続ける建築になるのではないかと思うのです。

「大切にしたい11の事」は10の満足より更にその先へと言う想いを込めて11項目にまとめました。
私たちが提案したいのは建築そのものと言うよりはそこで行われる経験です。
少しでもあなたの直感に響き、共感出来ると感じ取って頂けたなら
これほど嬉しい事はありません。

永く愛され続ける建築