2020年2月22日blog | TVを置かないLDKづくり。より自由な生活空間を求めて。

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当事務所において、2件続けてLDKにTVを置かないと言う
選択をされた案件がありました。
今回はそれら案件から、
TVが無くなればLDKの間取りはどう変わるのかを
書いてみたいと思います。

どちらのお客様も元々はTVを置くつもりでいましたが、
打ち合わせを進める中でTVをLDKに置かないと言う選択肢を取られました。

間取りの打ち合わせを進める中でこの考えに行きついたそうです。
「最近TVでどんな番組を見ているだろう?」
バラエティ、ドキュメンタリー、映画、歌番組、、、
自分に一番フィットした住宅を手に入れるに当たり、
こうした日々の生活を改めて見直す機会が得られたのかもしれません。

そんな風に思い返してみると、
あるお客様は本を読むことが好きでTVを見る時間より本を読む時間が長いそうです。
あるお客様は子供に無駄にTVを見せない様にあえて遠ざけたいと考えていたそうです。
あるお客様は近くでお子様の勉強を見てあげたくて、
勉強スペースにTVを持ち込みたくないとの事でした。

どの時間もお客様にとっては尊い時間で、
TVよりも優先すべき事項だった様です。

話しは逸れますが、スマホ・タブレットの普及も
TV離れの要因として見逃せません。
スマホ・タブレットが各ご家庭、各人に1台以上が当たり前の時代になりました。
スマホ・タブレットであなたは何をしますか?
・動画閲覧
・音楽視聴
・SNS
・ソーシャルゲーム
・読書
・勉強
・・・
個人が好きなものを好きなタイミングで見る事が出来るツールとして、
TV以上の存在になっている人は多いと思います。

ではTVを設置しないLDKとはどんな間取りでしょう。

TVの正面に置かれているものは、、、恐らくソファです。
もしかしたらこのソファも不要になるかもしれません。

今回の例を挙げると、
1つの事例では、
本が沢山入る本棚と、5mを超える長いベンチを設置しました。
それも横に寝っ転がれる位の奥行きの深いベンチです。
ベンチでは日々の食事の他に、
料理中の休憩の場としても使用出来ます。
大勢を呼んでも座る事が出来ます。
少し距離を開ければ別々の事をしても気になりません。
TVとソファが無くなり、リビングに広いフローリングスペースが出来、
子供が走り回る姿が想像できます。

もう一つの事例では、
TVを置かないスペースを小上がりにして、
そこでゴロンと横になって寛げるスペースとしました。
また、こちらの住まいでもソファは置かず、
その分3m超の長いテーブルを置く事にしました。
6人掛けでも標準では1.8m位なのでかなりの大きさです。
この長いテーブルでは、キッチンスペースを兼ねたり、
勉強スペースを兼ねたり、親戚が来れば大勢が座れます。
3mもあれば端と端ではかなりのパーソナルスペースを確保する事が出来ます。

この2つの事例をみる限りTVを取り除いた間取りは
それぞれ個性的なものとなりました。
「個性的なもの」
これはより個人に、ご家族にフィットしたものと
なったと言えるのかもしれません。

TVを置く事を決めると、
ソファの置く位置が決まります。
別に食事をする為のダイニングセットの位置が決まります。
そこに配膳する為のキッチンの位置が決まります。
住まいにオリジナルの個性を求めているのに、
何故か個性的に感じないのにはここに理由があるかもしれません。

戦後、TVは家族の会話を繋ぐ娯楽としてとても
重要な機能を果たしてきました。
現在もそれを大切にされているご家族もいらっしゃるかと思います。
それを否定するものではありません。

しかしながら、
もし、TVを点けっ放しにして、
タブレットをいじっていたり、
本を読んでいたり、
寝ていたり、、、
する日常があるのであれば、
ご新築の際はTVの在り方を再考してみるのも良いかもしれません。

皆様にとって住まいづくりがより良いものとなる事を願っております。





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