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主要用途:専用住宅 敷地面積152.02㎡ 1階床面積:55.90㎡ 2階床面積:56.43㎡ 階数:2階 構造:木造 世帯:1人

単身で家を建てるという事

単身者が計画した住まいである。
現状では一人で住むが、将来の結婚・出産等における家族の変容にも対応出来る様フレキシブルな間取りとしている。1階のLDKは下足のまま土間として使用しても良いし、スリッパ等で使用しても良い。どこか一部に畳の小上がりをつくっても良いかもしれない。(プランパターン2参照)階段で玄関とLDKをゆるく分離している。将来的に階段と玄関の間に壁で間仕切りをつくり、LDKのプライバシーを確保する事も出来る。2階は、現状は個人の寝室と客間で2室、南はフリースペースを設けている。フリースペースはセカンドリビング的に使用しても良いし、室内物干し場としても使用出来る様、水廻りからの動線をつくっている。フリースペースも壁をつくる事によって個室にする事が出来る。世帯の人数が変わっても空間を無駄なく使い切る事を目指した住宅である。

いつかは家を持ちたい。
しかし、自分の人生においていつが建て時なのだろう?

晩婚化が進み出生率も低下。40歳から35年ローンを組めば完済の時は75歳。30代独身で特定の相手がいない場合、結婚・出産を得て家族を形成するのはいつになるのだろうか。 かつての家の建て時である、「2人目の子供が生まれて借りアパートが手狭になったから考えようか」と言った行動規範は、もはや規範では無くなって来ているのではないでしょうか。

建て時は自分で決める。独身のうちに家を建てる事を決断した場合、結婚したら?子供が増えたら?等、先の規範よりも更に間取りをフレキシブルに考える必要があります。生涯独身であれば部屋数はLDKを除いて1部屋あれば十分だし、子供が2人出来る事も想定に入れたいのであれば3部屋は欲しいかもしれません。その両方を満足させる方法は、建物のプラン(間取り)のつくり方にかかっています。逆に言えば、プランを熟慮すればそのフレキシブルに対応する住宅が可能だと考えます。

独身でも楽しめて、家族が増えても楽しめる。
独身は家を持つ為の準備期間ではありません。
自分らしい住まい方を手に入れるのは、自分らしく住まいたいと願っているその時なのかもしれません。