2019年8月30日blog | 木造3階建ての構造計算。

haikei

本日は構造計算の打ち合わせです。
以前より打ち合わせを続け、本日は細かな納まり検討を行いました。

通常よくある流れとしては、
私共(意匠設計者)がお客様と打ち合わせを行い、
間取りや仕様を決め、
平面図、断面図、立面図、仕上表(床や壁・天井の仕様が書かれた表)を作成し、
大雑把な構造の検討を付け、
構造計算事務所に依頼します。

構造計算事務所はそれらの資料をもとに、柱や梁の大きさや位置・本数を決めていきます。
構造を絵にかいた餅ではなく、実際に建てて地震や風にも耐えられるものになる様
細かな計算をしてくれるのです。

この細かな計算は、例えば床のフローリングの種類で荷重の数値が変わってきますし、
塗り壁なのか壁紙なのかでも荷重の数値が変わってきます。
ですので、構造計算中に
「フローリングやっぱり替えます」とか、
「建物の軒はやっぱりもう少し出したいです」とか、
「間取り変更があるのでここの柱を移動してください」
と言った変更があるだけで大幅な計算のやり直しが発生する場合があります。

なかなか神経を尖らせる作業ですね。

しかしながら、構造が決まらないと部材が拾えず、部材が拾えないと金額が出てきません。
そして、金額が出た上で、予算に見合わなければ減額案が必要になり、
減額案に応じて構造計算がまたやり直しになります。
更には、当事務所の設計提案は構造設計者にとって少々難解なものになるケースが度々あるのです。

構造計算事務所の方からは、
「この物件とはだいぶ長いお付き合いですね」
と言われました。要はそれだけ複雑な物件と言う事です。

お願いしている構造計算事務所は、一般的な工務店の仕事も請け負っている事務所です。
一般的な間取りより、かなり難解でさらに今回の依頼は木造3階建ての為、
長いお付き合いとなったわけです。

そんな物件でも、施工方法にまで言及した本当に細かい打ち合わせを行ってくれる為
とても助かっています。
今回の住宅には、3階迄続く鉄骨階段があり、これはこれで別途鉄骨の構造計算が必要になります。
この鉄骨階段を木造にどう取り付けるのか、
取り付け方によっては使い勝手に影響してくる場合もあります。
私自身の立場も考慮して下さり、見せ方にも気を配りながら大変細かな打ち合わせとなりました。

使い勝手や間取りは当然配慮するとしても意匠設計屋の私のこだわりにまで
気を配ってくれる事には頭が下がります。
最後は笑いながら応えてくれる構造事務所には感謝ですね。

この構造事務所とは色々なお話しをする機会がありますが、
やはり受けたくないと思う仕事もある様で、
その一つとして、「自分が楽をしようと依頼をしてくる人」があるそうです。
私の依頼自体は結構労力のいるものが多いのですが、
それでも、私がこだわりをもって提案を作っているのが図面から
伝わってくるので引き受けてくれているそうです。嬉しいお言葉です。
その意味で余計にデザインの妥協は出来ないですね。

構造は時に建物のデザインを左右します。
お互い密なコミュニケーションを取り
納得のいく形を模索しつづけます。


静岡市の設計事務所:一級建築士事務所SAKAKI Atelier(サカキアトリエ)
当事務所の実績・提案はWorksをご参照下さい。
当事務所の住まいづくりに関する考え方はAbout home「住まいづくり大切にしたい11の事」をご参照下さい。
当事務所へお問い合わせの方はこちらからご連絡下さい。