2019年9月16日blog | 建物は上から見ない。確認しておきたい打ち合わせ方法

haikei

住宅を建てる決意をされて、
業者を決めて、
契約手続きをして、
いよいよ仕様(建物の細かい部分)の
打ち合わせが始まる。

でも、いざ始まると、、
楽しみな打ち合わせのはずなのに、
建物の印象を決定づける大事な部分の打ち合わせのはずなのに
何故か打ち合わせ内容が頭に入ってこない。
そんな建て主様を意外にも数多く見てきました。

それは打ち合わせの方法によるのかもしれません。

現在、依頼先を選定中と言う方は是非、
「契約後の打ち合わせ方法」について確認しておく事を
お勧め致します。

住宅の契約はビッグイベントです。
お金の件、
完成までのスケジュールの件、
建築業者へ伝えたい要望のリストアップ等、
気になる事は山ほどあります。

その中で見落とされがちなのが、
契約後から始まる打ち合わせの「方法」についてです。

契約前は、プランから始まり、模型やパース等建物の提案を分かり易く
紹介した資料が数多く提示されます。
しかし、契約後は、黒の線のみ書かれた平面図を元に打ち合わせが進行していく、、
そんな業者がかなり多いのです。
これには、契約後からの打ち合わせ内容はプレゼンではなく、
現場にも流れる図面になると言う側面があります。
とは言え、契約前までカラーで色分けされていて見やすかったと
感じられている方々にとっては急に専門的な図面に戸惑う事もあるのだと思います。

私も今まではそんな打ち合わせ方法を主としていました。
しかしそれでは真にご理解を頂いて建物着工と言う訳にはいかないのでは
ないかと常々感じておりました。

そこで現在当事務所では、契約後もある程度のイメージが固まるまでは
CGにてイメージの共有を図る事にしています。

ここで得られる効果は、先の平面図の打ち合わせに留まらないリアリティを得られると言う事。

平面図とは何でしょう?

平面図とは建物の上から見下ろした間取り図です。
建築的には建物を横に切った断面図です。
(一般的に言う断面図とは建物を縦に切った図面の事です)
日常生活で建物を上から見下ろす事はあるでしょうか?

ここに打ち合わせで理解し辛い点がある様に思います。

打ち合わせにこそ実際に立った人の目線が必要なのだと思います。
そのリアリティがある事でより理解が深まり、興味も沸くのではないでしょうか。
その意味では模型も少々見辛いものかもしれません。

とは言え、CGに頼り過ぎて失敗してしまう事もあります。
この点についても触れたいと思いますが、
それはまたの機会にしたいと思います。

話を戻しますが、
契約後の打ち合わせでは、
以下の資料をもって打ち合わせを行ってくれるか
契約前に是非確認してみると良いと思います。
・平面図
  →契約前の平面図と変わるのかどうか?カラーでなくても良いと思いますが、
   それを補填する何かは必要になると思います。
・立面図・断面図
  →窓の高さの位置や天井の高さ、他家具や収納等主要な部分の高さ分かる資料が
   必要です。
・家具図
  →建築工事で造り付け家具をつくって貰う場合は、家具図と言う図面
   (出来れば平面図・立面図より縮尺の細かいもの)があると良いと思います。
・床や壁のサンプル
  →なるべく実物のサンプルが良いです。
・水廻り設備の資料
  →メーカー品の場合はメーカーのショールーム等を利用するのも良いでしょう。
・照明の資料
  →照明器具の資料の他にコンセント・スイッチ等の位置やスイッチがどの照明器具と
   繋がっているかが分かる資料があると良いです。
・パース
  →例えば天井の高さや、造り付け家具の打ち合わせを行った場合、
   それらが変更されどんなイメージになるのか知る必要があります。
   (今までこの過程が意外と行われてこなかった様に思います)
・外構(外回り)の資料
  →特に植栽の位置は重要です。曖昧なままにされがちですが、
   打ち合わせしないまま着工し、いざ植栽を植えたいと思っても、
   水道の配管が通っていた。何てことにもなりかねません。

必要によってはその打ち合わせ場所で広さや高さを実寸で確認するのも良い方法だと思います。

これらを要求したら、
もしかしたらちょっと面倒くさい客なんて思う業者もいるかもしれませんが、
一生に一度の夢のマイホームです。
少々図々しく思われても良いと思います。
(ほとんどの業者はその理解をもって接してくれるはずです)
契約前に打ち合わせのやり方まできっちり確認しておく事をお勧め致します。
確認する事で、打ち合わせの理解度がきっと変わってくるはずです。



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