2019年10月23日blog | 設計事務所によってまるで違う。図面の種類や枚数、図面精度の話

haikeizumen

設計の図面(特に現場に回す設計図書)は、設計事務所によって、
もっと言えば工務店やハウスメーカーによって全然内容が違います。

今回はコラム的に設計図面の精度について書きたいと思います。
「A社で図面を書いてもらってB社で施工してもらおう」
と言った考えをお持ちの方、その行動を起こす前に一度
こちらのブログを読んでみると良いかもしれません。

タイトル通り、設計図面の内容は会社や事務所によってまるで違います。
一般には平面図、立面図、断面図、、、と言った同一の名前で呼ばれていますが、
内容を細かく見ていくとまるで違う書き方をしていて、
会社によっては他者の図面では施工出来ない何てことも起こりうるかもしれません。

具体的な例を挙げますと、
・平面図にサッシ(窓)の寸法を入れるのか、立面図に入れるのか。または、サッシ用図面をつくるのか。
・平面図に天井の仕上げを書くのか、天井伏図(天井を見上げた図面)を別につくるのか。
・電気設備(照明等)は平面図に書くのか、専用の図面をつくるのか。
・床の仕上げは材料の方向を書くのか、模様をきっちり入れるのか。
・立面図に外壁の模様を描くのか、外壁の種類を明記するのか。
・床壁天井の材料や色等は平面図や展開図に書くのか。仕上表(各部屋や場所ごとに材料を一覧にした表)に列挙しておくのか。
・造作家具は展開図に書くのか、専用に家具図を書くのか。
・水廻り設備は平面図に記載するのか、仕上げ表に記載するのか、専用の図面をつくるのか。
・各部特注的につくる箇所は専用の詳細図面を書くのか。平面図や立面図、展開図への記載に留めておくのか。
・各図面の記載内容の重複は避けるのか、伝え漏れ防止の為にわざと重複させて記載するのか。
・・・
書き出したらそれこそ止まらない位
様々な点においてその事務所独自の書き方があります。

どのやり方が正しいのか。

こうした事を書くと当然なるべく細かく書く方が良いのでは?
と言う意見が一般的には出てくると思います。

しかし、いざ現場が始まるとそうとばかりは言えません。
まず、なるべく細かい指示を書いて、なるべく枚数を増やして、
図面を揃えても現場で読み切れないと言う意見もあります。
例えば、照明図を作成して照明の位置を指示します。
でも照明図で書いた照明器具の位置には家具があり照明がつけられません。
何てことが起こったり、、、しっかり見ているつもりでも
本当にある事なのです。
また、現場においてもAの図面で推測して作業していたらBの図面に詳細が載っていて
違う納まりだった。これも本当にあります。

では、逆にAの図面になるべくたくさんの情報を載せてはどうか?
一度これをやった時は
文字が多すぎて見づらい。
文字が小さくて見えない。
なんて事を大工の長老に言われた事もありました。

勿論、設計のプロとして、現場のプロとして
これらを踏まえてミスが無くなる様細心の注意を払いながら作業をします。
それでも人的ミスは避けられないのが現状としてあります。
設計者としてはそれを防止する為に、現場監理として、
足繁く現場に通うのです。


こう言った図面の悩みは毎回つきものです。
私は前回の反省を踏まえ少しずつ書き方を替えています。
今回の図面は少々多めです。

普通35坪程度の住宅で図面枚数は30~50枚位でしょうか。
現場と仕様の意思疎通が取れている設計はもっと図面を減らしているかもしれません。

毎回、工務店に施工をお願いする事になる設計事務所としては
こう言った意思疎通によって図られる簡略はあまりしません。
なるべく図面に間違いの無い様指示を書きます。

今回は70枚強。
多すぎたかなぁ。

逆に現場が混乱してしまわない様に、細かく通って意思疎通を図りたいと思います。

現場に混乱と遅れが生じぬ様に。
トーマスのトップハムハット卿のセリフみたいですね。
子供と一緒に見ていたせいで耳に残ります。

皆様の家づくりの参考になれば幸いです。



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