先日、新築のご計画をたてられているお客様と設計監理委託契約を締結致しました。
ここからはクライアント→お施主様です。
今回はローコスト住宅の計画です。
「ローコスト」と言っても「安い住宅」を求められている訳ではありません。
既成の工業製品を使い、それを間取りに合わせて組み合わせるだけの計画で良しとすれば、
低価格の建売を多く手掛けている工務店に依頼する事で、
予算内に納めた住宅を実現出来るかもしれません。
世間で建築家と呼ばれる設計事務所に依頼下さる建て主様にとって
ローコスト住宅とは、
「金銭的な厳しさを上手くやりくりしながら心地よくデザインされた住宅」
と置き換えられるものと考え、計画に取り組み始めました。
勿論、明らかにご要望の建物と予算に乖離がある場合はきちんとご説明する場面も出てきます。
しかしながら、一般的に見て「ローコスト」と言って提示されたご予算でも
建て主様にとっては大金です。(勿論、わたしにとっても)
理想の住まいを求めてのご依頼に応えたい。
計画に当たり、要望の肝となる部分を見極めて行きます。
他愛もない話から、大切にしている事、仕事、ご家族の事。。。
雑多と思える話し合いの中から、ご要望の優先順位を付けていきます。
そんな話をしていくうちに、ローコストだけれども、
「ここはお金をしっかり掛けていいものを」
「ここはこだわりが少ないから予算を削る対象に」
等、お施主様も私も頭の中が整理されていきます。
最終の工事金額は工務店様に見積もり依頼をして初めて出てきます。
現状は見込みの段階ですが、こうしたやり取りをする事で
いざ見積もりが出されて、予算に合わない場合でも
コストダウンの対象が明確になると考えています。
空間のデザインとしても、コストを抑えたつくりを検討します。
・なるべく真四角な間取りにする等つくり易い形状にして大工の手間を簡素化する。
・流通している部材に無駄が出ない様に納まりを考える。
・工業製品の中でも組み合わせによって良いデザインが生まれると
思えるものは積極的に取り入れる。
・お施主様の了解が得られればDIY的な工事も考慮する。
・現在使用しているモノで使えそうなモノは再利用する。
・・・
検討すべき項目はつきません。
ローコスト住宅はお施主様、工務店、設計事務所の3者が
がっちりタッグを組む事もとても重要です。
設計事務所が図面をかいて工務店に、
「かいた通りにつくって」
では実現は難しいと思います。
お施主様が設計事務所に要望を伝えて、
「予算はこれ。要望はこれ。どちらも妥協出来ないからその通りにやって」
でも実現は難しいでしょう。
工務店も、
「図面の通りにやりました」
だけでは実現から遠ざかると思います。
3者がそれぞれの考えを伝えて、より良いと思えるものを
提案し合って初めて実現の道が開けると考えています。
皆様のご協力を仰ぎつつ、
良い住まいづくりを目指して計画を進めていきたいと思います。
一級建築士事務所SAKAKI Atelier(サカキアトリエ)
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