2020年5月8日blog | 格子デザイン。使用のメリットを考えてデザインする

haikeikoushikoushi

現在進行中のお宅に木格子が付けられました。
バルコニーを外壁の腰壁にせず、
人の背の高を超える格子で全体を覆っています。
また膝下の高さの窓からの転落防止用にも一役買っています。

今回は格子のデザインについて紹介致します。

格子を取り入れるメリットは何でしょう。
・外部への転落防止
・外部からの進入防止
・外部からの程よいプライベート性の確保
・プライベート性を確保しながら通風、採光を確保する
・外観のデザインにアクセントを加える
この様な事が考えられると思います。

一言に格子デザインと言っても
様々な素材、大きさ、取付ピッチを変える事により
印象はだいぶ変わります。

鉄格子で堅牢に造り過ぎると文字通り牢屋みたいな印象になるかもしれません。
ピッチを開けすぎると、防犯の意味やプライベート性が損なわれるかもしれません。
お風呂の窓等にちょこっと付けたアルミ格子をデザインと呼ぶには無理がある様にも感じます。

こちらの案件では、
レッドウッドと言う木材を使用しています。
(レッドウッドについてはこちらを参照下さい。→https://www.redwood.jp/product/redwood/)
木材を使う事で格子の印象を柔らかくしています。
無機質なセメント板の外壁に有機的なアクセントを与えています。

材は16mmと言う細い小口を連続させる事で、
繊細な印象を与えています。
正面に16mmを使用していますが、奥行きは86mmある為
斜めからは見えづらい造りとなっています。

軒下から合わせると3000ある木を格子にする事で
繊細ながらダイナミックな印象を持たせる事が出来ているのでないでしょうか。
また、2階・3階と両方に格子を使う事で、
連なった格子がこの建物の個性を生んでいます。

そして、これら個性となった格子は
防犯や転落防止、通風、採光、プライベート性と言った
メリットを享受する事を目的とした結果、デザインに反映されています。

日本の伝統建築にも多く取り入れられている格子デザイン。
デザインとして日本人の心に響くものがあり、
住宅に採用されるケースを多く見かけます。
しかし、ただの「おしゃれ」だけでは
少々コストパフォーマンスが悪い気もするデザインです。

その格子にどの様な用途的メリットや空間的メリットがあるのか。

一度検討してみた上で採用を考えるのも良いかもしれません。


皆様の住まいづくりの参考になれば幸いです。





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