2019年12月14日blog | 目に見える心地良い木の分量は?インテリアにおける木視率

haikei

新しい住まいを考える時、
どの様なデザインのインテリアにしたいか。
こだわりたい要望として必ず出てくる項目です。

インテリアの好みは人それぞれ。
床に使いたい材料、
壁・天井に使いたい材料、
置きたい家具、、、
それぞれ気に入ったパーツパーツを取り入れたのに、
何故か居心地の良くない空間になってしまった。

そんな事を未然に防ぐインテリアデザインの豆知識として
「木視率」と言う考え方をご紹介したいと思います。

「木視率」とは・・・
部屋を見渡した時に視界に入ってくる木肌の分量の事を指します。
床・壁・天井のみで考えると、
床に木を使った場合の木視率:20%
壁に木を使った場合の木視率:60%
天井に木を使った場合の木視率:20%
と言われているそうです。

そして、人が見て心地良いと感じる木視率は
「30%前後」
と言われています。
(実際に研究機関で木の分量別に脈拍を図るテストをして得られた
情報だそうです。木の分量が30%程度の空間に居る時
人は脈拍数が低下しリラックスした状態になるそうです)

CGでシュミレーションしてみました。
まずは一番オーソドックスなフローリングと家具のみ木を使ったインテリアです。
interior

床のみで木視率20%なので家具を入れてだいたい30%前後と言って良いのかもしれまぜん。
次は天井にも木を貼ってみます。
interior

木視率の数値上では40%~50%位でしょうか。
このデザインを好む方も多いかと思いますが、
多少床のみの時のCGに比べ圧迫感を感じる人もいるかもしれません。
(木と言うより天井が白で無くなった事による圧迫感かもしれませんが)
次は壁一面を木に変えてみます。
interior

木視率は30%をちょっと超えた位でしょうか。
こう言ったデザインを好む方も多くいらっしゃるかと思います。

個人的な感想になりますが、実際にシュミレーションしてみて、
だいたい木視率20~40%位は心地良さとしては許容の範囲内なのかなと言う気がしています。

次にイメージをかなり変えて、
床をモルタル、壁に木を使ってみたいと思います。
interior

木視率の計算上は60%強です。
確かに居心地の良さから見ると少々緊張を覚えるかもしれません。
interior

床をモルタル、天井を木にした場合です。
家具を含めれば大体30%程度のインテリアです。
確かに床にモルタルを使用している割には緊張感は薄い様にも思えます。

木視率の観点から30%を超える木を使用した場合でも
次の様な家具によるバランスの取り方も手段の一つと言えるでしょう。
interiorinteriorこの2枚のCGはどちらも床・天井に木を使用し、置き家具収納も置いてある為、
木視率は40%を超えています。
そこにダイニングテーブルをレイアウトしています。
上のCGは木のテーブルセット、下のCGはグレーでベタ塗りされたテーブルセットです。
如何でしょうか。
下のCGの方が木のしつこさが少し緩和した様なイメージがあります。


最後に言い訳をしてしまうと、
あくまで研究データより得られた心地良さの指標の為、
個人的好みは人それぞれで良いと私は考えております。
また、単に「木を使う」と言っても、
木目の粗い・薄いもあります。
着色塗装により木目を調整する事も出来ます。
杉の節有を使えば木目を多く感じると思いますが、
シナの柾目を使えばかなりシンプルな印象に抑えられます。
モノトーン系の着色塗装をする事で木の印象を抑える方法もありますし、
クリア系の塗装を使えば際立たせる事も出来ます。

一概に木視率30%を正とする必要はないと思いますが、
「木を見た後、森を見る」きっかけにはなるのでは無いでしょうか。
ご自身のインテリアセンスが不安と言う方は、
この指標を目安としてインテリアを決めていけば
心地良い空間づくりが上手くいきやすくなるかもしれません。

皆様の素敵な空間づくりのお役に立てれば幸いです。




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