この土日を使い、薬局のカウンターリノベーションを行いました。
※表題をDIYアルバイトと表していますが、勿論、建築設計事務所の正式な仕事としてお受けしています。
今回のお悩みは、
業務上立ったまま接客対応した方がスムーズだが、座って対応する高さでつくられた今のカウンターでは低すぎる。あまりコストは掛けられないが、立ったままの接客をスムーズに行える様にする策はないか。また、接客する場なのでデザインも意識したい。
と言うもの。
まずはどの様な状態になったら悩みが解消されるか。
立って接客してみて適正な高さを確認します。
従業員の方にも立ち会って頂いて確認したところ、床から85cmの高さが適当との事でした。(ちなみにカウンターの高さは75cmでした。写真上から2枚目)
次にどの様な解決策があるか考えます。
・カウンターを丸ごと交換する。
・現状のカウンターの上に台みたいなものを乗せる
・現状のカウンターの上の各ブースに合わせた箱みたいなものを乗せる
CGでも高さのイメージを作成します。
結局、「カウンターを丸ごと」は金銭的な問題、「各ブースに合わせた箱」は使い勝手とデザイン的な問題で却下。「台を乗せる」方向での検討となりました。
しかしながら、「台を乗せる」と言っても現状のカウンター(写真上から2枚目)にどう言うものを乗せれば違和感のないデザインになるか。ただ木目のモノやプレーンのホワイトのモノを乗せてもいかにも「乗せました」感が出てしまう。台を乗せるけど、「乗せました」感を出さないデザイン。そんな事が頭の中でグルグル回っていました。
最終的に決定した案として、台を乗せる以外に現状のカウンターも塗装する事でデザインをまとめる事にしました。
そして、コストを抑える為にこの工事は全て自分たちで行う事にしました。
この薬局のオーナーの友人と私の2人です。
古い付き合いの友人の為、デザインに関する事は全てお任せで依頼頂きました。信頼に応えると言う程よいプレッシャーを感じます。
いよいよ、現場。
材料は全てホームセンターで購入。
まずは、現場の片付け。カウンターに貼られたポスター類を剥がし、剥離剤を使って綺麗にします。(写真上から3枚目)
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塗装作業。友人は既存カウンターをホワイトで塗装。私は新たに購入したカウンターとなる材料にウレタンを塗ります。購入したカウンターはパインの集成材(ホームセンターでよく見かけるものです)。このままだと手垢や汚れも付く為、ウレタンでコーティング。また、接客テーブルとしての高級感も演出する為、こげ茶になるものを選びました。(写真上から4枚目)
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一度塗り完成(写真上から5枚目)。一度塗りしたパイン集成材は乾いた後、ヤスリで研磨し面を滑らかにします。
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上塗り完成(写真上から6枚目)。今回は3度塗りしています。
既存カウンターは、真っ白にした事で清潔感が出てきました。
パイン集成材はウレタンでテッカテカです。パインの元の木肌より明らかに高級感が出てきました。(写真上から7枚目)
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白くなった既存カウンターと新しくカウンター面となるパイン材の間に高さを調整する袴をはかせます。袴は、パイン材をカットした余り材を利用して黒く塗装。既存カウンターと新しいカウンターの間に少し小さいサイズで入れます。こうする事で、袴が、奥まった印象になり、新しいカウンターが浮いた様な印象のデザインになります。
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完成(一番下の写真)
あたかも1からデザインした様なカウンターになったのではないでしょうか。
積極的に作業した友人も完成に喜んでいました。
(オーナー自らの涙ぐましい努力です)
DIYと言えど最初にしっかり図面と描き、材料予算を立て、完成イメージをつくる。
ちょっとの事前準備が完成に大きな差をもたらします。
しかし、このちょっとの事前準備を行ったなら、割と大掛かりなDIYもご家庭で出来てしまうものです。
是非、皆さんもチャレンジしてみては如何でしょう。
一級建築士事務所SAKAKI Atelier(サカキアトリエ)
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