2回前のブログに書きました収納の「分散型」「集中型」の考え方について
気になるTV番組を拝見しましたので補足を書きたいと思います。
前回のブログはこちら
blog | 収納は適材適所(分散型)か、大きな納戸(集中型)か
→http://sakaki-atelier.net/news/blog-%e5%8f%8e%e7%b4%8d%e3%81%af%e9%81%a9%e6%9d%90%e9%81%a9%e6%89%80%e5%88%86%e6%95%a3%e5%9e%8b%e3%81%8b%e3%80%81%e5%a4%a7%e3%81%8d%e3%81%aa%e7%b4%8d%e6%88%b8%e9%9b%86%e4%b8%ad%e5%9e%8b%e3%81%8b/
とあるTV番組にて収納のプロの方が
「効率の良い収納法は歩数+アクション数=合計で決まる」
と言う指標を紹介されていました。
(この数値化の指数は商標登録されているそうなのでここでの
表現は控えますが、上記の様なワードで検索出来ます)
「歩数」とは対象のモノを取りに行くまでの歩数です。
「アクション数」とは、例えば引出を開ける等の手間の数です。
例を挙げると、寝室にいて爪切りが欲しいとします。
爪切りの収納場所はダイニング横の収納棚です。
寝室から収納棚まで15歩でたどり着きます。
収納棚は引き出し式で、その中に爪切り・ハサミ等の刃物のケースがあり、
そのケース内のハサミを避けて爪切りを取り出します。
この作業手間は、引き出しを引く+ケースのフタを開ける+ハサミを避ける+爪切りを取り出す
で計4手です。
つまり、先の理論で計算すると15+4=19がこの行為における作業の指数と言う訳です。
この考え、私個人の意見ですが、少し異論があります。
それは、歩数とアクション数をそのまま足してしまうところにあります。
果たして、歩数とアクション数は同列に足せる手間と言えるでしょうか。
先の例と同じシチュエーションで考えてみます。
今度は引き出しを引くと直に爪切りがあるとします。
この場合、アクション数は引き出しを引く+爪切りを取り出す=2手です。
そして、寝室から対象物までの歩数は先ほどより2歩遠い17歩だとします。
合計は先の例と同じ19です。
どちらが楽と言えるでしょう?
私は圧倒的に後者だと思います。
もっと極端に歩数が5歩、アクションが14手掛かるなんて考えたら
分かり易いのではないでしょうか。
つまり、この「歩数」「アクション数」は同列では考えられないのです。
ここで前回私がブログに書いた「分散型」「集中型」を考えてみます。
私の考えは「取り出し易く片付ける」事で、「ストレスをなるべく感じない収納」を軸に置いています。
ストレスさえ感じなければ「分散型」でも「集中型」でも良いという考えです。
では、今回のTV番組で紹介された指標を踏まえ今一度「分散型」「集中型」を比較してみます。
先の指数による収納方法では恐らく「分散型」が推奨されます。
歩数を減らせる為です。
歩数を減らせる分、LDKに雑多な収納が集中します。
寝室等に比べ、起きている時間・複数人が使う等の理由から必然的にそうなる事が想像されます。
リビングはお客様も迎え入れる為、収納物はなるべく隠したいものです。
つまり雑多な数多くの「モノ」を目に見えない様に片付ける必要があると言えます。
「集中型」を見てみます。代表としてウォークインクロゼットを例に挙げます。
リビングからはある程度の歩数は必要となります。
ウォークインクロゼットは部屋そのものが収納です。
収納に人が入れるので出入口に扉があれば
全ての収納物に扉を付ける必要はありません。
ウォークインクロゼットに入れば全ての収納物が見渡せ手に取れる状況にしておきます。
見渡せる分探す手間はかなり少ないと言えます。
ストレスを感じずモノにたどり着けるのはどちらでしょう?
「効率の良い収納法は歩数+アクション数=合計で決まる」
この指標の全てを否定してる訳ではありません。
「アクション数が増える→ストレスが増える→良い収納とは言えない」
事実だと思います。
50坪の平屋で家の端から端まで爪切りの為に歩けば
相当なストレスです。
歩数もアクション数もそれ自体、収納方法の指標として考慮するのは
良いと思います。
私はそこに計算式と言う手間を入れず、もっと直感的に感じる
「取り出すのめんどくさいな」
「なるべく動きたくないな」
「どこにしまったっけ?」
と言ったストレスを無くす事に重点を置いて、シンプル考えるのが
一番良いのではないかと考えています。
批判的な文章になり不快に思われた方、申し訳ございません。。
色んな考え方の一つとして優しい目でご一読頂けたなら嬉しく思います。
あなたの日常生活の収納ストレスが少しでも軽減する事を願っております。
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