2019年11月3日blog | 建物は小さめでも広い土間。プランの力で土間を広くする。

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前回ブログに書きました螺旋階段のお宅。
見せ所の一つとして今回は土間の提案をご紹介致します。

前回のブログ:「螺旋階段と本棚。組み合わせてみる」はこちら
http://sakaki-atelier.net/news/blog-%e8%9e%ba%e6%97%8b%e9%9a%8e%e6%ae%b5%e3%81%a8%e6%9c%ac%e6%a3%9a%e3%80%82%e7%b5%84%e3%81%bf%e5%90%88%e3%82%8f%e3%81%9b%e3%81%a6%e3%81%bf%e3%82%8b%e3%80%82/

また、以前書きました土間についての考え方のブログも宜しければ
ご参考下さい。
以前のブログ:「結論。やっぱり土間は広い方が良い」
http://sakaki-atelier.net/news/blog-%e7%b5%90%e8%ab%96%e3%80%82%e3%82%84%e3%81%a3%e3%81%b1%e3%82%8a%e5%9c%9f%e9%96%93%e3%81%af%e5%ba%83%e3%81%84%e6%96%b9%e3%81%8c%e8%89%af%e3%81%84/


「結論。やっぱり土間は広い方が良い」の時のブログで、
「空間的なゆとり」を土間の広さのメリットとして挙げさせてもらいました。
現在着工中の物件でもこれを最大限に生かした間取りを提案しています。

元々は広い土間をご要望されそれに応える形でプランを考えました。
延床面積30坪で広い土間を考えるのには工夫が必要です。
設計経験がある方ならわかるかもしれませんが、
必要な所要室を確保していくうちに土間がどんどん狭められていく
何てこと意外と多く有ります。

今回は自転車を置ける位と言うご要望をお伺いしており、
それに真剣に応える形でプランを検討しました。
自転車は屋外で管理するのと屋内で管理するのとでは
傷みが全然違います。
例えば1年間乗らずに屋外に放置していた場合、
恐らくはそのまま乗る事は難しいでしょう。
特にゴムの傷みは大きいですよね。

では自転車を玄関土間に入れようとするとどれくらいの広さが必要なのか?

出し入れ出来る最低限の寸法でみれば
1坪(畳2帖)(1820mm×1820mm)の広さが最低限ではないかと思います。
それでも1坪内に自転車を納めた場合、
そこでの靴の脱ぎ履ぎや出入りは少々窮屈なものになります。
(勿論、自転車のサイズにもよります)

自転車を置く前提で少し広めとして、考える土間は
1.5坪(畳3帖)(1820×2730)は欲しいところです。
もしあなたが、プラン提案を受ける際、自転車の絵を土間に入れて
「自転車入りますよ」
と営業された場合、以下の事に注意する事をお勧めします。
・土間が1坪以上あるか。ない場合は再検討した方が良いと思います。
・自転車の搬入経路は適切か。図面上納まっていても出し入れに苦労する様な
 動線になっていないか確認する事をお勧めいたします。
・自転車を置いた上で靴の脱ぎ履ぎ等、ゆとりをもって作業出来るスペースがあるか。
・自転車をメンテナンスする為の多少のゆとりスペースがあるかどうか。
 これは先の靴の脱ぎ履きのスペースと兼用していても良いと思います。
・雨の日に濡れた自転車を入れた場合、壁などが汚れない様
 適切な離れをもって自転車を置く事が出来るか。
 これは壁の仕上げなどで解決する方法もあるかもしれません。
・自転車好きであれば工具などを置く場所が近くにあるか。また、電動アシスト付き自転車の
 バッテリー充電の場所はあるか。
 土間や屋外にのみ使用するものは、屋内で使用するものとは分けて
 収納したい場合があります。
・土間への乗り入れに無理の無い段差であるかどうか。通常、木造の場合、
 屋外の地面から玄関土間は35cm程の段差があります。
 屋外の階段の数を増やして一段ずつの高さを小さくする、スロープを付ける
 玄関土間が低くなる様な計画を立てる、等々、使い勝手を良くする為には
 工夫が必要になります。


意外とゆとりをもって自転車を置くと言うのは難しいものです。
皆さんもご経験あるのではないでしょうか。

今回のご提案ではおよそ4帖半のスペースを土間として確保しています。
更に和室と隣接させ土間に縁側的な枠割を持たせる事により、
空間的にも時間的にもゆとりを感じさせる事が出来る様な空間になればと
考えています。

和室の障子を開け放てば10帖分以上の空間的広がりを得る事が出来ます。
土間から和室へお通ししての接客もスムーズになると思います。

ちょっと特別な土間空間になる事を期待し
工事を無事に進めて行きたいと思います。

皆様の家づくりの参考になれば幸いです。





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